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関西の出会い系事情

「メッセージ送りまくっても返事なんか全然やぞ。たまに来るのんみんな、いっぺんでサクラやてわかるんばっかりや。会うた事無いのにいきなり「セフレになってください」て、そんな女絶対おかしいやろ。裏にこわぁい人がいてるか、宇宙人がサンプル探してるか、百歩譲ってほんまもんの変態かやで。いや、それやったら悪い事無いか。」　友人Ｔの数十万円分の愚痴を聞かされた。彼がサイトにつぎ込んだ桃色の情熱ならびにその金額が、良くない言霊となって部屋に立ちこめた。みきの香りがかすかに残る、その部屋に。

あの頃の僕は退屈していた。少し、女性と会話がしたかった。えっちがしたいというような、男気溢れるストレートな気持ちではなかった。いや、もちろん出来たらそれに越したことはなかったのだけど。相手がサクラでも良いから、ちょっとときめいた気分になりたかった、それだけだ。サイトに並ぶプロフィールを流し見る。どれもこれも、おいしそうな言葉が並んでいる。自称「女子大生」。いいねぇ、嘘っぽさが素晴らしいねぇ。騙される相手として申し分ないねぇ。よし、この子にメッセージしてみよう。みきを選んだのは、そんな軽い気持ちだった。それがまさか、本当に女子大生だったなんて・・・。

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